腕時計の針の種類はどれくらいあるの?
シンプルな棒状だったり、個性的な形だったり、腕時計の針の種類は実に様々です。
腕時計の針の形状は全15種類あり、それぞれ特徴も使われる腕時計のタイプも異なります。
今回は、知れば知るほど奥深い腕時計の針について調査しました。
腕時計のデザインでも重要な鍵を握る針、購入するときの参考にしてください。
腕時計の針の種類を15種紹介!
それでは腕時計の針の種類を全15種類それぞれの特徴を見てみましょう。
①バー型
バー型は、その名の通り棒状の形状をしている針のことです。
最もベーシックな針の形で、ムーブメントやデザインを問わず様々な針に採用されています。
シンプルな形なので夜光塗料を塗りやすい、細くて軽いので動力の弱いクオーツでも採用できるなどのメリットもあります。
クセのないルックスなので、ドレスウォッチにもよく採用されています。
ロレックスのコスモグラフデイトナ、シャネルのJ12など高級ブランドの時計にもよく見られる形状です。
②ペンシル型
先の尖った鉛筆状の形をしているのが、ペンシル型です。
こちらもバー型同様夜光塗料が塗りやすく、ミリタリーウォッチによく見られます。
代表的なモデルはパネライのルミノールやラジオミールですが、多くのブランドの腕時計に採用されています。
先が細いので、インデックスに被る面積が小さいのが特徴です。
③ブレゲ型
高級腕時計ブランドの「ブレゲ」を創設した天才時計技師アブラアン・ルイ・ブレゲによって開発されたのがブレゲ型の針です。
針の先端に丸いくり抜きがあるのが特徴で、月を連想させる独創的かつロマンチックなデザインです。
ただ丸いくり抜きがあるだけでなく、細い形状で精悍なルックスに見えるのもブレゲ型の魅力です。
ブレゲ以外の時計ブランドでも、オリエントスターのエレガントクラシックなどブレゲ型の針を採用している腕時計はあります。
④ドルフィン型
根本が太く、先端に行くに従ってまっすぐ細くなる形状をドルフィン型と呼びます。
グランドセイコーの時計によく使われていることでおなじみです。
またパテックフィリップやオメガのデ・ヴィルなど、歴史があり機械式腕時計を多く開発しているブランドによく見られます。
重厚かつクラシカルな雰囲気があり、流行に流されないドレッシーなデザインの機械式腕時計に採用されることが多いです。
⑤リーフ型
植物の葉のような曲線を描いているリーフ型は、ドルフィン型に近い形状です。
IWCのポルトキーゼ、ティソのル・ロックルなど比較的ドレッシーな腕時計に採用されています。
細身でシャープなのに、曲線を描いていて優雅な印象があります。
⑥アルファ型
アルファ型は、アルファベットの「α」のようなひし形が特徴です。
ドルフィン型と似ていますが、アルファ型は根本部分を細くしています。
オメガのスピードマスター、カルティエのパシャなどに採用されているタイプの針です。
男らしいシャープな印象、夜光塗料の塗りやすさ、針を軽くできるなどのメリットがあるので多くの時計に採用されています。
⑦メルセデス型
サブマリーナーなど、ロレックスのスポーツモデルによく見られるのがメルセデス・ベンツのスリーポインテッドスター形状のメルセデス型針です。
ベンツ針とも呼ばれ、ロレックス以外であれば各ブランドのダイバーズウォッチに採用されています。
この形状は針の丸い部分に夜光塗料を塗るときに、スリーポインテッドスター型にしたほうが塗料が垂れ落ちにくいことから開発されました。
ロレックス以外であれば、セイコーの5スポーツなどの廉価なモデルにも採用されています。
⑧スペード型
懐中時計にもよく採用されていたのが、トランプのスペードのような形状のスペード型針です。
現在では、ユリス・ナルダンやフランクミュラーのトノーカーベックス、ロングアイランドといったルックスの美しさにこだわるブランドによく見られています。
これまで紹介した針は長針短針両方に採用している針が多いですが、スペード型は短針にのみ採用しているタイプの腕時計もあります。
⑨アロー型
針の先端が矢印の形状をしているのがアロー型です。
太くどっしりとした形状で視認性に優れているため、オメガのシーマスターなどのダイバーズウォッチによく見られます。
存在感があり、太い形状の針なのでビッグサイズの腕時計やインパクトのあるデザインと相性が良いです。
元々は英国軍が使っていた時計によく見られていた形状です。
⑩バトン型
アルファ型の針の最も大きな部分が先端に近いところにある形状がバトン型です。
ペンシル型と似ていますが、ペンシル型は先端に向かって太さが同じ、バトン型は根本から先端に向かって太くなる剣のような形状です。
とくにカルティエでよく見られる形状で、タンクやクレ ドゥ カルティエなど多くのモデルに採用されています。
アルファ型やペンシル型を比べて細身な形状であることが多く、ラグジュアリーな印象があります。
⑪コブラ型
コブラ型は、舌を出しているコブラの頭を模した形が特徴です。
1940年代の軍用時計によく採用されていた形で、ヴィンテージ感があります。
現在でもミリタリーウォッチやパイロットウォッチの復刻モデルで見られます。
ロンジンのヘリテージコレクション、セイコープロスペックスのアルピニストなどに採用されています。
⑫イカ型
イカのような形をしているイカ型は、夜光塗料を塗りやすい幅広な形状が特徴です。
チューダー(チュードル)のダイバーズウォッチに採用されている独自形状で、スノーフレーク針とも呼ばれています。
チューダーのイカ針タイプのダイバーズウォッチは90年代には生産されなくなりましたが、その後復刻して再び注目を集めています。
姉妹ブランドであるロレックスでは見られない個性的な形なので、あえてチューダーを選びたいと言う人も多いです。
⑬イナズマ型
ロレックスのミルガウスに採用されているイナズマ型は、その名の通り稲妻のようなギザギザとした形状が特徴です。
ミルガウスの象徴ともいえるイナズマ型秒針は、フェイスのデザインのアクセントになっています。
高い耐磁性をコンセプトにしているミルガウスは1988年に生産終了しましたが、2007年に復刻して注目を集めました。
ブラック文字盤もありましたが、現在ではグリーン文字盤のミルガウスのみが販売されています。
⑭ローザンジュ型
ローザンジュはフランス語で「ひし形」を意味しています。
同じひし形だとアルファ型と似ていますが、ローザンジュ型は先端のほうが太くややどっしりとした印象があります。
STOWAのミリタリーモデルやフランクミュラーのカサブランカなどで採用されています。
⑮スケルトン型
アロー型の形状のまま、針の外枠を残して内側をくり抜いた形をスケルトン型と言います。
大ぶりサイズの針に用いられ、サブダイヤルが読み取りにくくなるのを防ぐメリットがあります。
オメガのシーマスターダイバー300などに用いられています。
腕時計の針の種類の形は奥が深い世界
腕時計の針の種類を知れば、腕時計を選ぶ楽しさがもっと増します。
見た目のデザインはもちろん、どうやってその針が生まれたか、その思いを知るとより腕時計の世界の奥深さが感じられるのも魅力です。
同じブランドの腕時計でも実に様々な針の形状があるので、時計を選ぶ時に針に注目してみましょう。
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